わたしの町 長崎。穏やかな日々が続いていた。
家族が寄り添い、庭には柿の木、子どもたちはその木の下で笑っていた。だが、あの日、すべてが一瞬で奪われた……。
平和への希望と再生の物語。
1994年、長崎に住む樹木医が、この柿の木を治療し、多くの実を付けるまでに回復させました。その柿の木の実から「被ばく柿の木2世」の苗木は「平和を伝える使者」として配られ、世界27か国330ヵ所以上に活動の輪が広がりました。この活動に参加したイタリア人作家が、子どもたちに長崎への原爆投下を伝えるため朗読したテキストを元に、この本が作られました。巻末にその活動も紹介しています。