その昔、台湾に長く暮らしたイギリス人がいた。1856年の春、その人、ロバート・スウィンホーは外交官として台湾に赴任した。博物学者でもあったスウィンホーは、台湾の自然や人々の暮らしにとても興味があり、山林を歩き回って、さまざまな生き物を見つけ、研究分類してイギリスに送った。雲豹を探し求め、手に入れたいと願っていたが、それはできなかった……。
台湾の森深くに棲むという雲豹。19世紀半ば、台湾に赴任したイギリス人外交官・ロバート スウィホーと現代の生態学者・姜博仁(ジャン ボーレン)が幻の雲豹を探し求める姿を描いた懐かしさと新しさが共存した台湾絵本のニューウェーブ。絶滅が伝えられているウンピョウを巡る人と自然の150年の物語。
本作は、著者が2年余りをかけてこのテーマを調査し、描かれた動植物の生態や先住民族の文化について、国立台湾博物館の専門スタッフによる検討・監修のうえで制作されました。
*ボローニャ国際絵本原画展 2022年入選作の絵本