シロカニペ ランラン ピ シ カン
コンカニペ ランラン ピ シ カン
銀のしずく ふるふる まわりに
金のしずく ふるふる まわりに
動物たちの声をきき、自然とともに暮らしてきたアイヌの人びと。長く語りつがれ 楽しまれてきた 歌ものがたりをローマ字で記録し、美しく平明な日本語に訳したのが19歳の知里幸恵でした。アイヌ語で暮らす祖母との生活、日本語を学び、自分たちの文化との違いに戸惑う学校での生活、東京からやってきた言語学者金田一京助との出会い————世界で広く読まれる「アイヌ神謡集」がうまれるまでを丁寧に描き出した絵本。
幸恵の心の軌跡を美しく親しみやすいイラストとファンタジックな物語にしています。
巻末には、知里幸恵の生涯とイタリアの著名な人類学者フォスコ・マライーニのアイヌ研究についての解説がついています。
イタリアの児童文学作家とイタリア在住の日本人画家によるこの絵本は、イタリアと日本をアイヌ文化でつなぐものとして本国でも大いに注目されました。
*本作で描かれた布の模様は、様々な時代のアイヌの布の文様や刺繍の写真を調べ、そこに画家の想像力を加味したものです。絵本の本文1の画像には、青い刺繍布に縞模様の裏地が付けられた布が描かれていますが、知里幸恵の生きた時代においては、このような裏地をあしらった刺繍布は作られていなかったそうです。
実際のアイヌ文様や文化について詳しく知りたい方は、公益財団法人 アイヌ民族文化財団アイヌ文化ポータルサイトをご覧ください。